第50章 十八品の料理

「工藤さんは大人の対応でいらっしゃる。いやはや、実に感服いたしますね」

今井錦司は笑みを貼りつけたまま、工藤達央にそう告げた。目元だけが、まるで笑っていない。

「今井錦司、買いかぶりだ」

工藤達央は眉をわずかに上げる。

「またまた。工藤さんこそ謙遜が過ぎますよ」

今井錦司は丁寧に言葉を重ね、露骨なまでに“和解ムード”を演出し始めた。

それを見ていた周囲は、完全に置いてけぼりだった。さっきまで火花を散らしていた二人が、いきなり社交辞令を交わし始めた。深い因縁など、どこにも見えない。

――もちろん、見せかけだ。

今井錦司は表では何事もなかったように振る舞いながら、腹の底では刃を研...

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